· 

第38回つくばマラソン

 毎年恒例、11月下旬はつくばマラソンの季節です。試合の申し込みは7月くらい。東京駅から会場行きのバスで会場へ。天気は晴れ、絶好のランニング日和です。

 例年通り、とは申せ、まだ3回目ではありますが、早めに会場について出発までの間、着替えたりなんだかんだとやることはあります。会場までバスを使えというのは、大先輩であるOさんのアドバイスです。
 昨年はI崎さん、I嵐さんと待ち合わせてスタート前に談笑してからの出発でしたが、今年は一人での行動です。

 大会ホームページの公式気象条件を転載します。
この大会は種々のセールスポイントがあると考えています。
 (1)2018年実績値で、スタートの気温が摂氏7度台、一番気温が上昇する14時台が15度くらいと暑すぎず、寒すぎず。そして、つくば独特のウエーブスタートで、ネットタイムとグロスタイムの差が少なく、私のように遅い人(笑)も、速い人も快適にスタートできる。

(2)東京からさほど遠くない(決して近くはないけど・・・つくばエクスプレスを使えば、十分に都心に通勤できる圏内でしょう)。

(3)公園内などのクローズドコースではなく、公道を走れる。

(4)高低差の少ないフラットなコースで記録が出やすい、など種々の特徴があります。
上記の点からそれゆえの人気があるように見受けられます。

グラウンドコンディション 2018年11月25日(日)】

 

時刻 天候 気温℃ 湿度 風向 風速m/s
9:00 晴れ 7.6℃ 66% NW 2.3
10:00 晴れ 10.7℃ 59% WNW 1.4
11:00 晴れ 12.3℃ 54% WNW 2.4
12:00 晴れ 13.4℃ 52% WNW 2.6
13:00 晴れ 14.1℃ 49% NW 2.4
14:00 晴れ 15.4℃ 46% W 1.6
15:00 晴れ 14.9℃ 49% SW 1.6

 (大会ホームページより転載)

 この年の8月に、Polarに変えて導入したエプソンのGPSウオッチ。衛星の捕捉も速いし、表示が電子ペーパーゆえに暗い時にも表示がくっきりみえて、夜間の練習がやりやすくなった。

 ところが、残念ながら翌年5月に春山で転倒して紛失となりました。きちんと遊革を装着しない状態で固い雪(氷)の斜面にたたきつけられてどこかに飛んで行ってしまった。使い勝手が良く、非常に気に入っていたんですけどね。しかも転倒した際には、GPSを落としたことにまったく気が付いておらず、気づいていればその場で周囲を探しますが、へとへとになって下山した山小屋でジャケットを脱いで初めて気づいたというていたらく・・。だめな時はどこまでもダメなものです。

完走記録証から、5kmごとのラップを転載します。

 

スタートからの距離

ラップ

5 km

0:29:46

10 km

0:28:46

15 km

0:29:16

20 km

0:28:47

25 km

0:29:28

30 km

0:31:45

35 km

0:31:04

40 km

0:30:50

 

 スタートから25㎞地点くらいまでは5kmを29分、つまりキロ5分50秒くらい、ネットで、トイレや休憩などのロスを考慮しなければ4時間6分台の記録が狙える好ペースです。これには実はからくりがあり、15km地点くらいまで謎の美女、黒いトップスと、白い短パンを着用した・・がサブフォー、つまりキロ5分40秒のイーブンくらいでずっと私の前を走っていたのです。謎の・・と書いたのは、そのランナーとは面識がなかったことと(まあ、1万人もいる大会で知人に遭う確率は少ないでしょうが・・だいたいが私には女性ランナーの知り合いはほとんどいません)、後ろ姿しか見えなかったから。どんなお顔立ちの方かは結局わからなかった。

 いずれにしても、その謎のランナーに途中まで想定以上のハイペースで引っ張られていった形になります。


 当初の試合前の想定では

基本方針
1.
 キロ6分キープ(ネットタイム4時間13分想定)
2.
 ペース変動をプラスマイナス10秒程度に抑えるよう努力
3.
  前半は流れに乗って省エネ運転。とくに20km地点までは上げすぎに注意

 なんて想定をまとめて走る前に頭に叩き込んでいたのに、キロあたり10秒もオーバーぺースで前半を突っ込んでいます。
 これはダメな走りです。キロ6分は、ここまで至る練習の過程で導き出した経験値。私はマラソンに関して、ベテランとはいえないけど(たかだか走り出して3年です)、フルマラソンを3年ほど走ってきて、自分なりに、遅いなりに走り方がわかってきたわけで、キロ6分は根拠のあるペース設定です。それを黒装束のランナーに惑わされて?(いや、私が勝手に追走しただけです・・笑)オーバーペースになっているという、どうしようもない展開です。

 この年も9月末開催の松本マラソンに申し込んではいたものの、猛暑やら体調不良で走り込み不足。試合も台風で中止。
大会直前の中止で物議をかもしましたが、自然現象が相手ではどうしようもないでしょう。

 かりに大会が開催されていたとしても、松本マラソンは私は惨敗に終わっていた可能性が高い。つまり2017年のように、7月、8月の猛暑の中、徹底的に走りこんで、9月の松本で自己ベストを出し、その勢いでつくばに乗り込むというような勢いは、2018年にはなかった。

 実際、オーバーペースのつけが後半に回ってきます。謎の美女ランナーは15km地点くらいで早々に離脱?。ペースダウンしてしまったようで、そこからは一人旅です。なんてこった(笑)。コース脇で実施される水分補給の時に、選手が補給テーブルに群がったり、ペースを上げる人や落とす人が交錯します。そのごたごたで、謎の美女はどこかに行ってしまいました。一部始終を観察していたわけではないけど、状況から判断して、彼女が先に行ったようではなく、たぶん私が先行して、そこからは自分でペースを作って走ることになります。

 目の前の美女?で眼の保養をしながら(笑)、走るという不純な動機というのもありますが、ペースメーカーがいてくれると走りやすいのは確か。大会公式のペースメーカーもおりますが、大きな大会でそれを見つけるのはかなり困難。2017年の松本では、運よく4時間30分のペーサーを後半で捕捉することができ、レース終盤のペースメイクに大いに役立ちましたし、勇気づけられました。ですから、一番いいのは、普段から練習を一緒にしたりして互いの実力もわかっていて、走力も大差ないような仲間・練習パートナーが試合でも一緒に走ってくれると、それはいいのでしょうが、なかなか難しいことですよねえ(笑)。

 前半のオーバーペースのつけがまわってきたと感じたのは30㎞地点くらい。そこまでは順調でした。30km過ぎて急にフトモモが痛くなりだし、足があがらなくなりました。それでもペースを落とすと、そこで歩くことになり(これをやると、後半歩きどおしの2016年大会の二の舞になります)、痛みをこらえて、極力ペースを落とさずに、フォームもそのまま足を大きく上げるフォームを維持して、進みます。痛みとの戦いというか、自分との我慢比べです。30kmのラップは5kmで31分台なのでキロ6:20くらいまで下がった。でも意地でも歩かない。フォームも維持する。もうこうなったら意地です。最後まで、脚が壊れるまでこのペースでいくさ!そう決めました。

 痛みを抱えたまま、先に進みます。なぜなら、スタートからの距離は逆戻りしませんから。30km地点を過ぎて走っていたら、スタートからの距離が25kmになっていた・・なんてことはないです(笑)。進めば進むほど、ゴールは近づいていく。当たり前のことですけど、マラソンの後半で苦しくなるとそんなことさえわからなくなる。本当に調子が悪いと、もうこの苦しみから一刻も早く逃れたい・・なんて思うときもあります。

 40㎞地点を過ぎました。ちょっとだけペースを上げましょう。もう足全体、腰まで痛かったけど、秋口に何回か行った30km走の効果でしょうか。距離に対する耐性ができていたのでしょう。脚全体がかなり痛い状況ながらもペースを若干だけあげてゴール前で幾人かの先行ランナー(というか、前に抜かれた人を抜き返しただけかもしれないけど)をいくらか抜き去ってゴールできた。

記録 :4時間11分39秒。
ネット(参考値):4時間11分01秒

これは夏場の練習不足の割にはよくできたレースだったと満足のゆく試合となりました。ちなみにこの記録4時間11分は、2019年6月時点でのフルマラソンの自己ベストの記録となります。